道の記憶 旧・下練馬村付近
連休中日の昨日、自転車で旧下練馬村か赤塚方面へ行ってきました。
時間は2時過ぎだったでしょうか。
「練馬区 文化財あんない」という、練馬区教育委員会文化財係が発行している
無料地図を見て、まずはお遍路の前に千川にゆかりある千川家のお墓(B)に
行こうと思い立ったのですが、その前に立ち寄ったのが「下練馬の大山道道漂」(A)。
今は環八の一部になっている「ふじ大山道」の出発点がこちらです。
富士山への参詣者も通ったため「ふじ大山道」と呼ばれ、それが明治期に入って
「富士街道」の名で呼ばれるようになったものである。
東京都練馬区北町1丁目の旧川越街道とふじ大山道の分岐点に、
1753年(宝暦3年)下練馬村講中により「ふじ大山道 田なしへ
三里 府中江 五里」と陰刻された道標が建立されており、
練馬区指定文化財となっている。東京都道311号環状八号線・
東京都道441号池袋谷原線・東京都道8号千代田練馬田無線・
東京都道12号調布田無線・東京都道・神奈川県道19号町田調布線・
神奈川県道・東京都道57号相模原大蔵町線などが近似したルートを辿っている。
wikipedia ふじ大山道
そしてここから旧・川越街道に入ると、長くてゆったりした商店街が
ずっとずっと続きます。旧・川越街道です。
私、ずっとこの街道筋(池袋本町)に住んでいたので、懐かしい。
いや、それだけでなく、時間の流れはもっと前の時代に戻っていくようです。
さて、街道から少し南に入ったところに、千川家の菩提寺があるようなのですが、
うっかりさらに南下。
少し先の田柄川緑道まで下りてしまいました。
地図を広げていると、おじいさんが
「どこ行くの?」
「このあたりに千川家のお墓、ありますか?」
「千川家?」
「あの、千川をつくったという…。」
「ここは千川じゃないよ。千川はずっとあっち。ここは田柄川」
それからおじいさんが、
「ここは川だったの。……ドブ川。……水が上がってねぇ……」
「そうだったのですか。たいへんでした?」
「ああ、たいへんだった。ひどかったよ…。」
今は暗渠となり、「田柄川緑道」となっています。
何キロにもわたっていますので、一度、川の記憶を辿って歩いてみたいものです。
さて、千川家のお墓です。
千川上水は、本郷、下谷、浅草方面の飲料水として元禄9年(1696年)に
玉川上水から分水された水道です。設計者は河村瑞軒(1617年~1699年)と
伝えられ、仙川村出身と伝えられる徳兵衛、太兵衛の2人が
工事を請け負いました。
分水口から巣鴨までの費用は、1千340両余りを要し、
幕府が支出したのはこのうち860両余りに過ぎませんでした。
そのため、2人は私費を投じて工事を成し遂げました。
徳兵衛、太兵衛両人は、その功によって、千川の姓と帯刀を許され、
その子孫は代々千川上水の取締役を務めました。
この千川家は、3代源蔵の時に下練馬村(現在の北町2丁目)に
移り住みました。阿弥陀堂墓地内には、3代源蔵(明和4年没)、
4代善蔵(天保5年没)、5代仙輔(天保8年没)、6代民蔵(天保11年没)、
7代右保(明治27年没)などの墓石が建っています。
練馬区ホームページより
このあと、東武練馬北の、豊島88箇所第35番安楽寺へ行きます。
お寺前の区の案内板によると、このあたりも昔の道のままであるらしく、
そこを辿っていくと、「旧粕谷家(東の隠居)住宅」に出ました。
板橋区でも2軒しか残っていないという萱葺屋根の旧家。
屋根のあたりに虫がいっぱい飛んでいたのも、
私の子ども時代を思い出させてくれました。
ところでこのあたりはやたらとアップダウンが多い上に、
縄文人が喜びそうな見晴らしのよい高台があったりします。
美術館、植物園、昆虫館、東京大仏はじめ多くのお寺…が続き、神秘的な森の雰囲気、
というのもそのはず、昔は赤塚城というお城があったとか…。
このあたりもゆっくり一日かけて歩きたいものです。
そのあと84番成田山不動大教会、23番泉福寺、51番清涼寺、77番清蓮寺をまわり、
帰りは下赤塚から「埼玉道」を通って帰りました。
この道も、現在は一方通行となっている比較的細い道ですが、
旧街道らしい味のある道でした。
家に帰って時計を見ると、6時半。
ほとんどずっと自転車に乗っていたので、船に乗った人みたいに
「地に足がつかない」状態になったのは、今回がはじめてでした。
※連休の一日、久しぶりのブログ、「やっぱり道が分かったようがいいよね」と思い立ち、
直線ラインでトレースしました。(ほんとのこというと、トレースが組版やっていて一番苦手:P)
参考にしたのは「練馬区 文化財あんない」です。東武東上線あたりから板橋区になるので、
その上は書いていません。
桜台から東武練馬までは直線距離で3.5キロ弱です。
by youyouhibiki
| 2011-05-05 12:05
| 花遍路 豊島八十八箇所
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by youyouhibiki
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