川のうた

水鶏(くいな)みる子を見守ればばあさぎ風
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青鷺の四葩(よひら)に遠き水の中
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(見たまんまですが)

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# by youyouhibiki | 2017-07-01 22:09 | 詩歌(下記以外) | Comments(0)

『ファッションとアート 麗しき東西交流』展を見て

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アリス・ベーコンの『明治日本の女たち』(みすず書房)は、渡辺京二の『逝きし世の面影』がお好きな方ならおすすめの本で、1888年と99年に来日した女性がつぶさに見た当時の日本、宮廷から農村までを観察し記録した本です。

昨日行ってきた『ファッションとアート 麗しき東西交流』展で見た幕末〜明治のファッション』を見ながら思い出したのは、この『明治日本の女たち』の一節でした。(以下引用:)

「将軍家が滅亡し、城と大名屋敷がなくなると、日本人のファッションもがらりと変わってしまった。有閑階級の豪華な生活がなくなると、華麗な花柄の着物の人気は廃れてしまった。もはや舞台以外で、きれいな刺繍をほどこした優雅な着物を見かけることはない。女性たちが季節ごとに装いを変えなければならないので、
自然の花そっくりの刺繍をほどこした着物を常に買いあげていた日本各地の大小の宮廷も消えていった。日本に来た外国人は、必ずと言ってよいほど知り合いの日本の女性に『どうして昔のような、美しい刺繍をほどこした豪華な着物を着ないのですか』とたずねる。答えは決まって、「もう大名屋敷がありませんから」である。日本女性の衣装の変化を説明するには、これで十分だと思われている。(7 城と屋敷での生活)
(もっとも著者はここに注を入れ、それは1890年の時点のことで、商業と産業が発展を遂げた10年後には、再び刺繍をほどこした着物が流行しつつあった、と述べている。)

明治維新のあとつまり従来の発注者がいなくなってから世の中がある程度落ち着いて新たな発注者が出てくるまでのたいへんな時代の様子を、女性の着物が見事に言い当てているような気がするのですが、今回の展覧会では、そのような時代にあって海外に隘路を求めた人々、商店、商社などのプロダクツが最初に展示されていたのが印象的でした。

さらに欧米に目を向けると、それまでコルセットで体型を整形するファッションから、それに比べるとかなりルーズな着物(今の私たちは、着物のほうがきついと言ったり、あるいは当時の着物の着方も違ったりですが)を取り入れたファッションへと変化させ、さらにまた1900年代に入ると、畳めば平面になる着物のようなドレスを、体(体型)の上にそのまままとうスタイルが流行したこと。

逆に日本では、ジャポニスムとして欧米で咀嚼されたものがその後、逆輸入され、もてはやされるという、まさに「麗しき東西交流」が当時なされたあたりを丁寧に展示していました。

以前、世田谷美術館で『ファッション史の愉しみ』展を見たのですが、コルセット→ゆったり の変化を宣伝する折、日本版画の影響を取り入れたポショワールを、それ以前のファッションプレートの主流だった銅版画のかわりに戦略的に用いたという解説を聞いたのですが、このようにファッションの流れを見ると改めて、ジャポニスムという時代のうねりが感じられるように思いました。

http://yokohama.art.museum/special/2017/fashionandart/

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# by youyouhibiki | 2017-06-24 14:58 | 美術 | Comments(0)

蕎麦のち散歩

神田須田町の蕎麦屋「まつや」さんに集合した
東男ひとりと京女ふたり。
午後4時と半端な時間でしたが、お店はいっぱい。

板わさその他をつまみにお酒をいただき、
〆はお蕎麦。
たいへん美味しゅうございました。

その後、腹ごなしもかねて散策。
「もうおなかいっぱい!」と言いつつも、
江戸情緒あふれる甘味処を東男に案内されると、
即決「行きましょう!!」

白玉あんみつ、こちらもたいへん美味しゅうございました。


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この辺りは、辛くも空襲で焼けなかったため、
戦前の建物が残っています。

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こちらは、都内唯一のあんこう鍋専門店。
なに? 「あんこうの柳川」ですって??!!
なんともコラーゲンたっぷりで、お肌によさそうです。
今回はおなかいっぱいだったので、
次回ぜひこちらにも。

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レトロな建物のてっぺんには、戦前からでしょうか、
ライオンがのんびりと寝そべっておりました。
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# by youyouhibiki | 2015-07-03 10:42 |  練馬/東京散歩 | Comments(0)

詩人高橋睦郎さんに会いに

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「仏界入リ易ク魔界入リ難シ」  一休
あるいは
「本当の詩人はその愛によって地獄の岸部まで下りていく」  リルケ

そのような魔界に、自分も入るためにだけ生きてきた、と。

エリオットは、
「五百年前の詩人、千年前の詩人と対話できるか」
「思想の香りを薔薇のようにかぐことができるか」
と問うたという。
死者との対話。
折口信夫は、おそらくそれが出来た詩人。
おそらく、その詩人も。

さまざまな形式の詩歌を作ることについて:
日本では古典芸能、さまざまな舞台が、断層のようになって
すべて残っている。
たとえば世阿弥の言葉や思いを、実際演じる人の声や仕草を通じて
聴くことができる、幸い。

孤独な生い立ち、投稿少年、東京に出てきて、
落語、歌舞伎、文楽などをたくさん見たこと。
投稿は、短歌、俳句、作文などすべてやったこと、
なので形式に対する壁は感じない、
それぞれの形式を、それぞれの時代の正しい言葉で
現したい。
ただし、短歌と俳句はモードが違うので、
自分の中で少し操作をしなくてはならない、とも。

生と死、愛と恨み=人生
「在るかないかが分らないことだけが確かである」(ボルヘス?)
「本当にここに在るのか」
「生きていることの不確かさと死の確かさ」
「死者を考えないと詩は書けないのではないか」
「生きていることは甘美であるが、甘美であるのは不安があるからこそ」
「詩をつくるとき、一寸先が見えないほうがいい。とんでもないところに
行きつくのが詩」
鴎外の『於母影』、漢語と和語の使い方のバランス
 (鴎外は、欧州の詩を漢語に訳し、それを日本語に訳した)
「現代の詩は散文詩になりやすい、は想像力の低下ではないか」
「書きたいものそれぞれにふさわしい文体を持つ。一篇ごとに文体を持つ」

「詩は書くものではなく、書かされるもの。
向うから来たものを、最高にもてなすのが詩というもの。
もてなすために自分を鍛える」

ほかに話に出た人:高安国世、富士川英郎、
蒲生有明、田村隆一、川端康成、三島由紀夫、ヴァレリー、
ボルヘス、土井晩翠、芭蕉 など

『続続・高橋睦郎詩集』(思潮社)では、
対談などでこれらのことについて詳しく語られているようです。

以上は、私の聞き書きメモです。


追記:
私の質問は、
「連句と言う共同作業の文芸は『魔界』とはほど遠い気がするが、
とは言え芭蕉は連句でしのぎを削っていたわけで、
ご自身ではどのようなお考えを連句に対して持っておられるか?」と。

それに対しては、
「連句は日本の文芸の至れるかたち。
共同作業と反共同作業を
同時に行わなくてはならない。
連衆が必要になり、それは楽しいことであるが、
同時に問題も出てくる。つまり、命がけでやろうとすると
趣味の領域を超えてしまうだろう。
自分は、今回の詩集にも載せているが、
自分の中にそれぞれの人格をつくって
独吟をやってみた。
趣味を超え、命がけでやってみるのも
よいかもしれない」

また、別の方の質問は聞きそびれたが、
現代の言葉について、ヘイトスピーチについて、
という内容だったと思う。それに対して:
「ヘイトスピーチを現代の言葉としてとらえるべきではないのではないか、
人間としての、もっともっと根源的なこととしてとらえるべきではないか。
それでなければ、逆に上っ面なことに終始してしまうと思う」と。
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# by youyouhibiki | 2015-01-14 00:30 | 詩歌(下記以外) | Comments(0)

本のお礼

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鎌倉の木犀堂さんに行ってきました。
コメントを頂いて閉店のことを知っていましたので、
お願いして写真を撮らせていただきました。

文学・芸術専門で他に決してブレず、
整然とレイアウトされた古書は新たな価値を帯び、
いつも楽しませてもらっていました。

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上村典子の歌集に、
  鎌倉市雪の下なる木犀堂古書奥付に朱の印ともる
という歌があります。
お店の灯が消えてしまって、これほど寂しいことはありません。

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ほしい本がいっぱいありましたが、結局、
確かに読むだろう山本健吉の本などを買い、
ご店主にお礼を言って書店をあとにしました。
今日(7/15)が最終日と聞いています。
どうぞいつまでもお元気で。感謝
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# by youyouhibiki | 2014-07-18 18:07 |  鎌倉散策 | Comments(0)

『死と復活 ─「狂気の母」の図像から読むキリスト教』

著者池上英洋氏はフィレンツェなどイタリアで、
母が子どもを殺し、それを聖人が生き返らせるという
15世紀の画像を見る。
そのことが発端となって、キリスト教における
聖餐、生け贄、のみならず、生と死、復活というテーマを
ギリシャ劇、エジプト神話、旧約聖書、新約聖書、
聖杯伝説、魔女伝説、聖人伝説、錬金術、グノーシスなどなどを
探りながら解き明かして行く。

途中、すごく驚いたのが、
「第四章 子殺しの魔女とケルトの大釜」なのですが、
中世で学者(医師)は女性に触ることができなかった、
なので、お産は産婆などにまかせていた。
当然、幼児の出生率は下がる。
男性はその原因を産婆=魔女のしわざと考えた。
また、女たちに果たして子どもを生かす意志があるか、
ということについても疑心暗鬼であったという。
「そういう『対女性観』があったなんて…」と、ちょっと驚きでした。

西洋美術史・文化史の本なので、
そこからどうやってキリスト教の生命尊重の考えが圧勝したか
などについて書は書かれていませんので、
おいおい調べていこうと思っています。

ほんとうはもっと、読書会とか講義とかで
ゆっくり時間をかけて読みたい(学びたい)本だと
思います。

蛇足ながら、ポール・クローデルの『乙女ヴィオレーヌ』と
それを書き改めた『マリアへのお告げ』は、
多少亡くなった子どもを遁世した彼女の伯母ヴィオレーヌが
生き返らせるという内容なので、この本のテーマとも
似通っているかとも思いました。

さらに蛇足ですが、
最近、本を読めなくなって困っています。
理由としては仕事でモニタとにらめっこしていたから、
というのが大きいだろうと思っていますが、
若い頃は図書館で本を10冊借りて、その週のうちに返していた私、
もしかして認めたくないけど老化現象??
内容が濃いといえば濃かったのですが、
この本は、2月に買ってやっと読み終えました。
『死と復活 ─「狂気の母」の図像から読むキリスト教』
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480015921/
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# by youyouhibiki | 2014-06-02 23:30 | 本(下記以外) | Comments(0)

夏の白い花

どういうわけか、白い花ばかり目につきます。

練馬でも…。

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鎌倉でも…。

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どうしてこんなに白い花ばかり多いのか、この季節は…と
思っていたら、鎌倉駅で電車を待つ女子高生の白い半袖のセーラー服。

納得です。やっぱりこの季節は白に限りますね。
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# by youyouhibiki | 2014-05-12 00:07 | 旅・散歩(下記以外) | Comments(0)

階段 その1

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高輪台から三田までを歩きました。
JR山手線品川から田町と平行する尾根側の辺り。
アップダウン多し。
この階段のスロープを自転車で上っている方達は、
途中で一休みしておられます。

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上った先が見えないことは、階段の魅力の一つでしょう。
が、しかし、こういう階段はともすれば私有地に行き当たります。
上るべきかどうしようかと思いながら写真を撮っていたら、
突然、「いい階段でしょう!!」と真横で声が。
通りをちょうど歩いていた方が通りすがりに声を掛けてくださったのでした(汗。
「この間の大雪のときなんか、よかったですよ〜」
「上がってごらんなさい。通り抜けできますよ〜」
との言葉に従って上って行くと…

案の定、私有地(マンション)でした。
脇の通路をそっと通り抜け(^^;;

それからしばらくすると、
「テラスを開放しています。見学できます」というお宅(会社)が。

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「ごめんください」

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快く案内してくださいました。
何でもそのために土日、社員さんが一人出勤してくださっているとのこと。
感謝です。
設計者は鈴木 恂。こちらのブログに詳しいです。
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# by youyouhibiki | 2014-04-21 09:48 |  練馬/東京散歩 | Comments(0)


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