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歌仙 冬空やの巻

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歌仙 冬空やの巻 平成二十五年十二月六日


冬空やさえぎるはなき鳥の声   きらら

  干す大根の白さまぶしき    亦紅

紙吹雪杜の都に舞い散って     次世

  栄枯は移るこれが徒し世    翳雉

ふりむけば夕轟きに出ずる月    八感

  蜉蝣尻を立てて湯の縁     暗吾


棚曇り爪紅よ鹿島立ち        感

  転校生の言葉真似する     優梨

篦にして木あり竹あり象牙あり    感

  ひそかに籠る窓のない部屋    き

永田町超過勤務も辞さずして    梯梧

  巻く水飴の切れにくき糸     吾

梅雨明けの月に拍子木打ってくる   雉

  足踏みミシン汗をかきかき   幸子

鼻歌にもう恋などはしないとか    吾

  上手に使う本音建前       世

花八分もと玉ノ井のこの辺り     雉

  裾の乱れは春荒れのせい     き


ナオ

内縁というの好きやわ目刺し焼く   吾

  吉備津の釜は鳴る気配なし    梨

ひげ面のツキがたよりの馬券買い   世

  三色ペンの赤ばかり減る     梨

自由また平等愛の旗の下       幸

  無筆論客集う居酒屋       雉

剥製の牡鹿の角のうすぼこり     吾

  誰にも言えぬ臨死体験     桃籬

笑という文字どことなくほがらかだ  吾

  親馬鹿ならぬ叔母馬鹿となる   梨

静もれる合掌部落寝待ち月      桃

  茎に似合わず太き自然薯     世


ナウ

人の輪の踊りの列となりて過ぐ    き

  故郷はあればあるで愛しき    吾

ふと見れば飛行機雲のまっすぐに   雉

  紋白蝶と語る放課後       梨

記念樹の今や盛りと咲ける花     き

  三々五々との遊びの子ら     亦


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by youyouhibiki | 2013-12-22 12:40 |  連句・歌仙 | Comments(0)

冬の黄昏書局まで

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啓祐堂で開かれている戸田勝久さんの個展に行きました。
戸田さんは、ふだん神戸を中心に活躍していらっしゃいますが、
毎年暮れに、東京で個展を開かれます。
今回は、「黄昏書局の冬」という見立てで、
黄昏書局の主人がつくる本も並べられていました。

まず絵画には、雪の夜の黄昏書局の絵や、
本をモチーフにした絵画などがあり、どれもこれも
見飽きないものばかり。
今日は戸田さんもいらっしゃって、お話しすることができました。

実際に装丁を手がけられた本のほかに、
「2回も本をだめにしました」というほど読み込まれた
蕪村書簡集や荷風俳諧集、風立ちぬや中也詩集、
ペレアスとメリザンドなどの文庫本に、
一枚しかないオリジナルの絵のカバーがつけられていたり、
大きな絵を縮小コピーしてカバーにされていたり
(絵を買った方にはこの本がつけられる)、
「本」「本」「本」の個展でした。

実は今回、ちょっとした古書を数冊お持ちして、
それらについてもお話がはずんだのですが、
戸田さんが、やさしい神戸紳士の口調で、
「昔の人はいい本をつくってますね」とおっしゃったあとに
「だから私たちも、いい本をつくって残さないといけませんね」と
付け加えられた言葉、また、
「だから中島さんもいい本をつくってくださいね」には
襟を正さずにはいられませんでした。

来年に向けて力づけられつつ、
満ち足りた思いで帰路につきました。

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こちらはドイツを中心に売られていて日本では個展のときしか
購入できないバインダーとポストカード。
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by youyouhibiki | 2013-12-21 22:03 | 本(下記以外) | Comments(0)

『ルワンダ中央銀行総裁日記』

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『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也、中公新書)について、
先日某所で「いい本です」とか「名著です」とかしか言えなかったので、
家に帰って、改めてこの本のことを考えました。

1965年に、日銀の服部正也氏は、ベルギーから独立したばかりのルワンダの、
中央銀行総裁になります。
ということはつまり、日銀の総裁に他国の人がなる、みたいな感じのすごいことです。
どうしてそうなったかというと、ルワンダにはまだ人材がなく、
今まで支配していたベルギー寄りでも米国、ソ連よりでもない誰かが
ならなくてはならないという、当時の国際的力関係によるところが多かったようです。

ルワンダに渡って、服部氏は、外貨管理から国内の経済再建、通貨改革、
公定歩合などなどすべてをどうするか、決定していかなくてはならないのですが、
いったい何を根拠に決定するのか?? 
amazonには

「本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、
あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。」

と書かれていますが、それではここでいう「民意」って何なのか、
それをどうやって量ったか、は、この本に折にふれ書かれていますので、
ぜひ読んでみてください。

「平和といい、貿易といい、援助というものは、究極的には国民と国民との関係という、
いわば人の問題である。この人の面を無視して進められる国際関係の基礎は、
きわめて脆弱なものである。」(本文より)

服部氏は、1971年に帰国するまで6年間、ルワンダ中央銀行の総裁を勤め、
国の経済の土台をつくり、ルワンダ人の後継者を育成して帰国します。

この本は読むたびに、働いたり生きたりする姿勢を正される、
私にとって「出会ってよかった」一冊です。
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by youyouhibiki | 2013-12-19 23:14 | 本(下記以外) | Comments(0)


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