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『殉教(マルチル)の刻印』

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昨日、練美で買った『殉教(マルチル)の刻印』(渡辺千尋著・長崎文献社)を
一気読みしてしまいました。
この本の原稿も展示されていて、興味を持ったのです。
2001年に小学館ノンフクション賞優秀賞を受賞していて、最近復刊されたました。

いったい1957年にセミナリヨで銅版画を彫ったのはどういう人物だったのか?
という前に、一つの謎が立ちはだかります。
版画は何種類かあるのですが、
1)
セヴィリアの教会壁画を模し、スペインからもたらされた銅版画が、
まずあったはずだと考えられる。
ヨーロッパに今も刷られたものがある。
イエスは手に白い鳩を持つ。
2)
日本でつくられた銅版画…原版なし。
そしてどういうわけかサイズが小さい(左右欠け)。
白い鳩がいない…これが今回の復刻のオリジナル。
一枚しか存在しない。
3)
中国で日本のものを模したという木版画。
サイズは1)と同じ。不思議なことに白い鳩を持つ。

ちょっとミステリーじみていますが、この謎解きをしないと、
復刻をする渡辺さんとしては釈然としない。
それで、いろいろなことを調べます。
当時のセミナリヨのこと。
印刷機や紙のこと。
当時のスペインやローマのこと。

……知らないことばかりでした。

さいごに、渡辺さんが出した推論は??
エングレーヴィングを実際にやる人でなければ分らないさまざまなことが、
つまり彼の、ビュランを使う「手」が推理したとも言える結末です。

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渡辺さんは銅版画家で、装丁もしておられました
(小沢昭一の「日本の放浪芸」など、ご存じの方も多いはず)が、
1994年ころから執筆もしておられて、
だからすごくよい本になったのだと思います。
よくぞこの方が復刻してくださった、と、
そういう思いがいたしました。
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by youyouhibiki | 2014-01-29 23:51 | 美術 | Comments(0)

「渡辺千尋 復刻の聖母」展

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今日は、練馬区立美術館でやっている「渡辺千尋 復刻の聖母」展に行ってきました。
「古い銅版画を復刻した」ということしか知らないで行ったのですが、
展示によると、このような経緯だということがわかりました。

1)
元のものは長崎のセミナリヨで、二十六聖人殉教のころ作られた
日本初めての銅版画(エングレーディング)であり、
セヴィリアの大聖堂のマリア像を模しています。
絵の下の文字最後のところに(im Semo Iapo 1597 日本のセミナリオ1597 とあります)。
もう一枚、「聖家族」も当時のもの。

2)明治になって長崎で隠れキリシタンと出会ったプチジャン神父が、
ローマに一度戻る途中、マニラでこの二つの銅版画(刷られたもの)と出会います。
それを、ローマ教皇ピウス9世に献上したところ「これは日本に戻るべきものだ」
と言って返されたのです。
「セヴィリアの聖母」の下の余白に手書きのラテン語で
「Manstre te esse Matrem(汝の母たることを示せ)」、
「聖家族」の下に「Japoneneses benedicat Virgo Maria cum Matre et
Prole Pia(日本人を祝福し給え、童貞マリアおよび母仁慈(じんじ)なる子と共に」
と書き添えて。

3)
残念ながら大正時代ころ、「聖家族」は半分以上が破損した
(水かカビか何かでかな? 写真製版のものが展示されています)が、
現存している「セヴィリアの聖母」(これも展示は写真製版)を、
長崎出身で「ビュランの使える」渡辺千尋氏に復刻依頼が来ます。
氏は、二十六聖人殉教のあとを京都から長崎まで歩いたあと、復刻されました。

4)
今回の展示は、渡辺千尋氏の「セビリアの聖母」を軸とした回顧展でもあります。
16世紀の原画も展示されている。前衛的で幻影的な銅版画。
小沢昭一の本など、見たことのある氏の装丁した本も。
この作業によって「美術表現の核のとなる内なる何かを見出した」と、
パンフレットにも書かれているように、この復刻の前とあとでは、
やはり何かが違っているように思えました。

私は、子供の頃から聞いていた殉教の話や、
長崎でのプチジャン神父と切支丹との出会い、
コルベ神父のこと、原爆のことなどを聞いていたからか、
いろんなことが一度に胸に迫るほどの感動を覚えました。
2月9日まで。無料です。
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by youyouhibiki | 2014-01-28 20:50 | 美術 | Comments(0)

謹賀新年

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あけましておめでとうございます。

3日に、新年早々の東博詣りに行ってきました。

ちょうど和太鼓の演奏時間となり、
心身ともに響く太鼓の周波数に春を感じながら
聴くことができました。

本年もどのような素晴らしいものに出会えるか、
楽しみです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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by youyouhibiki | 2014-01-05 21:14 | 美術 | Comments(0)


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