美わしの和紙
サントリー美術館の「美わしの和紙」展、行ってきました。
実は開催二日目に行ったのですが、
その後あれやこれやですっかりブログに載せるのが遅くなっておりました。
上の画像でも使われている「糊こぼし椿」、
この椿のことを知ったのは奈良のしをんさんのブログによってだったのですが、
「しをんさん、ブログのどこにありましたっけ。。。」と私が見つけられないでいたら、
しをんさんがわざわざ「糊こぼし椿」について書いていらっしゃった記事を、
まとめてくださいました。
しをんさん、お忙しいところ、ありがとうございます♪
こちらがトップで、文中の☆をクリックすると、
「糊こぼし椿」のこと、「糊こぼし椿」のモデルとなった椿のこと、
それが使われる東大寺修二会(お水取り)のこと、
それに美しくて美味しそうな(!)和菓子「糊こぼし」のことなど。。。
今まで書いていらっしゃった「糊こぼし椿」の記事を読むことができます。
そう、しをんさんがブログに書いてらっしゃるように、
この椿は「東大寺修二会で、観音様のいらっしゃる内陣を荘厳する」ために毎年、
お坊様の手によってつくられるもの。
今回の美術展でも「第一章 和紙の成り立ちと展開」のあと、
「第二章 祈りの造形」が特集され、神聖な祈りの場で用いられたこの「糊こぼし椿」や、
同じく東大寺修二会(お水取り)でお坊様が召される紙衣、日吉大社の御幣
などを見ることができました。
そうなのですね、紙は布とは違って清冽で、神性と言ってもいいようなものが
備わってるんやね。。。(あるいは、もったりしたものを持ち合わせないというか。。。)
自然の中から生み出されたことで、清浄なる恵みとみられた和紙。
人々は、この和紙に祈りを籠めて神仏に捧げる造形を創り出してきました。
今日まで連綿と伝えられてきた造形も多くみられます。
折り畳むなど、手を加えることにも耐える強くしなやか和紙の特質が活かされて、
日本人独自の造形感覚が発揮されてきたといえます。(美術館HPより)
第3章は「和紙の伝統を繋ぐひとびと」ということで和紙をつくる場面を描いた屏風などを
見ることができたのですが、特筆すべきは「百工比照」。
これは加賀藩のお殿様・前田綱紀が、当時の工芸品その他をすべて分類・整理した
百科全書なのですが、私が行ったときに見たのはその「紙類」。
何がすごいといって、ちゃんと実物が貼ってあるから、
文献(小説、日記、古文書)などを読んでいて
「○○産の○○紙、色は○○、△△の漉き模様」などと言うのがあって分からなくても
これを見ればちゃんと分かるというすぐれもの!
事典編纂の鑑と言っても過言ではないでしょう!(あるいは究極のコレクター!?)
会期は6期に分かれ、私の見た紙類のあと、
張付唐紙類(1)、張付唐紙類(2)、表紙類、外題紙類、紙類
の順で入れ替え展示されているようです。
(この百工比照にどのようななものが分類されているかは
こちらから知ることができます。)
第4章は「暮らしを彩る和紙の世界」で、紙の陣羽織や紙衣、提灯・行灯、水引、金糸、
熨斗や折り紙はじめいろいろなものを見ることができました。
(& さいごにいろいろな和紙を実際に触ってみることも。。。)
会場に和紙職人さんらしき方が見に来ていらっしゃったのですが、
和紙はこれほど美しくすばらしいものなのですから、
つくる方が絶えることなく、後々に伝わることを願うばかりでした。
by youyouhibiki
| 2009-10-24 22:08
| 美術
本のこと、詩歌のこと、美術展のこと、and so on...
by youyouhibiki
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
カテゴリ
全体美術
詩歌(下記以外)
連句・歌仙
本(下記以外)
装幀・デザイン
アルスのノートと本
平安~鎌倉の文学
芥川/片山廣子
ポール・クローデル
音楽・演劇・映画
ウィンター/ディキンソン
旅・散歩(下記以外)
東京散歩
酉の市/樋口一葉
鎌倉散策
花遍路 豊島八十八箇所
写真
仕事
思う・考える
コルベ神父
つくる
衣食住
Dogs & Cats, etc.
子ども時代
未分類
検索
以前の記事
2018年 07月2018年 06月
2018年 03月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2015年 07月
2015年 01月
2014年 07月
more...