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「ドストエフスキーと愛に生きる」

「考える人」編集長さんの記事を読んで、
とても観たくなって「ドストエフスキーと愛に生きる」に行ってきました。
翻訳家スヴェトラーナさんは、とても魅力的で、
目の光に知性の深みを感じました。
やっぱりあのお歳でドストエフスキーを読み、翻訳する凄さ、
知性も体験も半端じゃありません。
映画については、編集長さんの記事をご覧いただければと思います。
すてきな映画でした。

ところで、ドストエフスキーを女性が読む(読み込む、と言ったほうが正しい)、
ということから、私は志村ふくみさんの『白夜に紡ぐ』(人文書院)を
思い出していました。
志村さんが84歳の時に出されたこの本を読んだときも、
ドストエフスキーを読む態度に圧倒されたもので、
読書がまさに精神の葛藤であることを思い知らされましたが、
奇しくもほぼ同じ年代の女性であることに、
お二人の親和性を感じます。

「テクスチャーとテキスタイルの語源は同じ」と言いつつ
布や刺繍を愛されるスヴェトラーナさんと、染織家の志村ふくみさん。
このお二人が、ドストエフスキー文学の根源にあると思われる
人間の罪や醜さ、惨たらしさの中をともに生き、葛藤し、共に戦い、
さらにおこがましくも言ってしまえば
光や救済とも言うべき何らかの解答をそこに読み取ろうとして
おられるようにも思いました。
(そして、翻訳されたものや染織自体が、その過程であり結果でもあるような…。)

80歳を過ぎたお二人の姿に、私の今まで想像していた老いの生き方と
まったく違うものを感じ、震撼としております。
by youyouhibiki | 2014-03-08 22:33 | 本(下記以外)


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