映画から本へ

「ゲッベルスと私」の映画紹介に「ハンナ・アーレントにおける“悪の凡庸さ”をふたたび想起させる」と書かれていますが、見終わったあと、自分が、あるいは人間がそこから逃れることはできるのか、という思いが生まれました。
そのモヤモヤした気持ちの手がかりになるかと思って、映画の帰りがけに買ったのが渡辺京二の『原発とジャングル』です。
ここでは、「ジャングルと原発」「原初的正義と国家」「労働と交わり」という章立てで論を展開させていますが、その中の「労働と交わり」では、アーレントの『人間の条件』にある人間の基本的な諸活動の分類について真っ向から反対意見を展開させています。
『人間の条件』についての反対意見と『イエルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』以降の“悪の凡庸さ”の指摘とは隔たりがあるのではないかと言われるかもしれませんが、この本では要するに哲学者や聖職者が説く「目覚めよ」という言葉への対立概念を述べているので、「悪の凡庸さ」にも(本にそう書かれているわけではありませんが)話は及ぶと思われます。
『原発とジャングル』は『逝きし世の面影』が好きな方にもアーレント・ファンにお薦めかと思います。

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by youyouhibiki | 2018-07-11 11:44 | 本(下記以外) | Comments(0)


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