「風起る ひた生きんかな」
先日、知り合いの方に
ある旧制高校の同窓会報をいただいたので読んでいたところ、
数首の短歌が載せられおり、そのうちの一首に、目がとまりました。
「風起る ひた生きんかな」 衰老の
心の襞に よみがえれ歌 20文4 雨宮 孝
(20というのは、昭和20年に入学した、という意味。)
それで、ふと思ったのです、
「風起る ひた生きんかな」は、堀辰雄の『風立ちぬ』の
冒頭にある「風立ちぬ、いざ生きめやも」のこと。
だけど、古文でよく分からない「風立ちぬ…」より、
原典に近いな、と…。
つまり原詩では「Le vent se lève! . . . il faut tenter de vivre!」、
英訳すると「The wind is rising! . . . We must try to live!」、
直訳すると「風が起こる! 我々は生きねばならぬ」、
かなり強い「意志」の感じられる意味になります。
と、私はふと、「いざ生きめやも」の「やもって何?」と思いました。
そこで最近、何かあるときちんと辞書を引かれる数人の友人を思い出して、
古語辞典を引いてみました。
高校で『風立ちぬ』を読んだとき以来、
私は「いざ生きめやも」は「いざ生きよう」という意味だと思いこんでおりました。。。
あれ? 違ったの??
さっそくネットで調べたらこちらのブログにくわしく書かれておりました。
やはり「生きめやも」は誤訳なのだそうです。
http://english-fountain.blog.ocn.ne.jp/supplement/2005/07/post_5cff.html
「風起る ひた生きんかな」衰老の
心の襞によみがえれ歌
歌を作られたとき、短歌作者の方は、きっと原詩の
「Le vent se lève! . . . il faut tenter de vivre!」
もご存じだったのでしょう。
若いときにお読みになっていたのでしょうか。
「風起る ひた生きんかな」という素晴らしい訳を使われたことで、
短歌の心がすっと伝わってきたように思いました。
お時間ある方はこちらをどうぞ:
ヴァレリーの原詩 Le cimetière marin:
http://www.feelingsurfer.net/garp/poesie/Valery.CimetiereMarin.html
英訳 The Graveyard By The Sea:
http://unix.cc.wmich.edu/~cooneys/poems/fr/daylewis.html
和訳 「海辺の墓地」:
http://kuniomonji.com/rimbaud/etcetera/cimetiere.html
長い詩の、一番さいごの、言ってみれば「シメ」の部分です。
日本語だと、言葉にどうしてもモタツキが出来てしまうような気がします。
(と言うほど、フランス語が分かるわけでもなく、
英語や日本語をうろちょろしておるのですが。。。)
ある旧制高校の同窓会報をいただいたので読んでいたところ、
数首の短歌が載せられおり、そのうちの一首に、目がとまりました。
「風起る ひた生きんかな」 衰老の
心の襞に よみがえれ歌 20文4 雨宮 孝
(20というのは、昭和20年に入学した、という意味。)
それで、ふと思ったのです、
「風起る ひた生きんかな」は、堀辰雄の『風立ちぬ』の
冒頭にある「風立ちぬ、いざ生きめやも」のこと。
だけど、古文でよく分からない「風立ちぬ…」より、
原典に近いな、と…。
つまり原詩では「Le vent se lève! . . . il faut tenter de vivre!」、
英訳すると「The wind is rising! . . . We must try to live!」、
直訳すると「風が起こる! 我々は生きねばならぬ」、
かなり強い「意志」の感じられる意味になります。
と、私はふと、「いざ生きめやも」の「やもって何?」と思いました。
そこで最近、何かあるときちんと辞書を引かれる数人の友人を思い出して、
古語辞典を引いてみました。
やも[連語]《上代語。「や」は係助詞、「も」は感動の終助詞》れ、れれれ??
1 疑いの気持ちをこめて、感動・詠嘆を表す。「…かなあ。…なのかなあ。」
2 反語の気持ちをこめて、感動・詠嘆を表す。…かなあ(いやそうではないのだよ)。
(以下例文)
高校で『風立ちぬ』を読んだとき以来、
私は「いざ生きめやも」は「いざ生きよう」という意味だと思いこんでおりました。。。
あれ? 違ったの??
さっそくネットで調べたらこちらのブログにくわしく書かれておりました。
やはり「生きめやも」は誤訳なのだそうです。
http://english-fountain.blog.ocn.ne.jp/supplement/2005/07/post_5cff.html
「風起る ひた生きんかな」衰老の
心の襞によみがえれ歌
歌を作られたとき、短歌作者の方は、きっと原詩の
「Le vent se lève! . . . il faut tenter de vivre!」
もご存じだったのでしょう。
若いときにお読みになっていたのでしょうか。
「風起る ひた生きんかな」という素晴らしい訳を使われたことで、
短歌の心がすっと伝わってきたように思いました。
お時間ある方はこちらをどうぞ:
ヴァレリーの原詩 Le cimetière marin:
http://www.feelingsurfer.net/garp/poesie/Valery.CimetiereMarin.html
英訳 The Graveyard By The Sea:
http://unix.cc.wmich.edu/~cooneys/poems/fr/daylewis.html
和訳 「海辺の墓地」:
http://kuniomonji.com/rimbaud/etcetera/cimetiere.html
長い詩の、一番さいごの、言ってみれば「シメ」の部分です。
日本語だと、言葉にどうしてもモタツキが出来てしまうような気がします。
(と言うほど、フランス語が分かるわけでもなく、
英語や日本語をうろちょろしておるのですが。。。)
by youyouhibiki
| 2008-09-15 21:47
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by youyouhibiki
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