『わたしたちが孤児だったころ』
カズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』(ハヤカワepi文庫)、
読みました。
あいかわらずソフトな語り口のモノローグではじまるのですが、
『わたしを離さないで』同様にテーマは重く、
やるせない気持ちになりました。
歴史のうねりの中で理想を失墜させる主人公、という
カズオ・イシグロの小説に見られるテーマもそうですが、
親のいない子どもが追い求める理想と現実のギャップ、
というテーマが、けっこう辛かったかもしれません。
ちなみにネットで書評などを覗いてみましたが、
どちらかというと主人公の性格や行動が分かりにくい、
あるいは理解できない、というものが多いような気がしました。
両親とともに育ったらしいカズオ・イシグロが、
よくもそこまで分析し、描いたものだ、と
両親不在のまま幼少時代をすごした私は感じてしまったのですが、
イギリスに渡っても、「来年は日本に帰るから」と言われ続け、
言ってみれば異邦人としてイギリスに居続けたことが、
カズオ・イシグロの小説の魅力になっているのだと思います。
この本を読む前は、M氏おすすめの
『アラブ、祈りの文学』(みすず書房)を読んだのですが、
これもパレスチナ、レバノンなど戦闘地域の文学を扱っているため
たいへん重いものでした。
次に何を読むかまだ決めていませんが、
さすがにハードな本が続いたので、
もう少し軽い本で気分転換が必要かも、と思っています。
読みました。
あいかわらずソフトな語り口のモノローグではじまるのですが、
『わたしを離さないで』同様にテーマは重く、
やるせない気持ちになりました。
歴史のうねりの中で理想を失墜させる主人公、という
カズオ・イシグロの小説に見られるテーマもそうですが、
親のいない子どもが追い求める理想と現実のギャップ、
というテーマが、けっこう辛かったかもしれません。
ちなみにネットで書評などを覗いてみましたが、
どちらかというと主人公の性格や行動が分かりにくい、
あるいは理解できない、というものが多いような気がしました。
両親とともに育ったらしいカズオ・イシグロが、
よくもそこまで分析し、描いたものだ、と
両親不在のまま幼少時代をすごした私は感じてしまったのですが、
イギリスに渡っても、「来年は日本に帰るから」と言われ続け、
言ってみれば異邦人としてイギリスに居続けたことが、
カズオ・イシグロの小説の魅力になっているのだと思います。
この本を読む前は、M氏おすすめの
『アラブ、祈りの文学』(みすず書房)を読んだのですが、
これもパレスチナ、レバノンなど戦闘地域の文学を扱っているため
たいへん重いものでした。
次に何を読むかまだ決めていませんが、
さすがにハードな本が続いたので、
もう少し軽い本で気分転換が必要かも、と思っています。
by youyouhibiki
| 2009-03-05 11:55
| 本(下記以外)
本のこと、詩歌のこと、美術展のこと、and so on...
by youyouhibiki
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
カテゴリ
全体美術
詩歌(下記以外)
連句・歌仙
本(下記以外)
装幀・デザイン
アルスのノートと本
平安~鎌倉の文学
芥川/片山廣子
ポール・クローデル
音楽・演劇・映画
ウィンター/ディキンソン
旅・散歩(下記以外)
東京散歩
酉の市/樋口一葉
鎌倉散策
花遍路 豊島八十八箇所
写真
仕事
思う・考える
コルベ神父
つくる
衣食住
Dogs & Cats, etc.
子ども時代
未分類
検索
以前の記事
2018年 07月2018年 06月
2018年 03月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2015年 07月
2015年 01月
2014年 07月
more...